BMW MINI COOPER (R50) 社外ヘッドライトユニット交換!LED化も!

こんにちは、ムラカミです。
最近は家庭事情によりホームページのアップデートが全く進んでおりません・・・。出張業務は滞りなく行っておりますが、ホームページを見られたお客さまより、「お店やってるの?」と聞かれる始末です。やってます、遠慮なくお問い合わせくださいませ。
さて、普段はドラレコやカーセキュリティインストールがメイン業務ですが電装に係る内容であればなんでもするのが当店 碧電装です。
題名のとおりBMW初代ミニクーパーのヘッドライトユニットを取り付けましたのでご紹介します。

外車は面倒が多い!(嫌いではありません)

いきなりネガティブ要素を吐き出していますが(笑)決して嫌いなわけではありません。
注意点が国産車よりも多いというだけです。
まず、BMWやBENZ、AUDIやVWなどドイツ車をはじめとする欧州車はライトコントロールが国産車とは異なります。年式によって変わりますがパルス制御により明るさのコントロールを行ったり、バルブ切れのチェックのために微細電流を流して導通チェックを行ったりと細かい制御を行っています。
今回のミニクーパーも例に漏れず、冷間時(EG始動時)や熱間時(ライトSWのON中)の導通チェックを行いますので基本的にLED化やHID化が国産車よりもひと手間掛かります。
外車の電装カスタムでは必須となるコーディング作業を行うか、バルブ側でチェック機能をPASS出来る様に抵抗をかます(抵抗だけではだめですが)等の対策が必要です。
何も対策せずにLED化、HID化するとストロボの様にチラついたり、フェイルセーフ機能により電流遮断→不点灯へと陥りますので注意が必要です。
今回はヘッドライトユニットインストールからバルブ選定までハマりにハマった(笑)ので、これからカスタムしよう!というDIY派の方々、気になっていたけどカスタム後のイメージが沸かない・・・といった方の参考になればと思います。

ヘッドライトユニットの選定(社外品)

今回お客さまから相談されたカスタムの理由は、「ヘッドライト純正(ハロゲン)が暗いし、ユニット自体も黄ばんできたから綺麗にしたい、明るくしたい。」でした。しかしR50型のミニで前期型最終年式モデルであったため、HID化には後期ヘッドライト(ポン付け不可)が必須です。さらに社外品HIDバルブやLEDバルブはポン付けでは安定動作が望めない、又は動作するものでもバルブ価格が非常に高価であることから悩まれておりました。
また、どうせお金を掛けるなら人とは違った見た目にしたい。との理由から純正ヘッドライトは却下となりました。
最終的に、社外品ヘッドライトユニット+HIDバルブで爆光仕様にしましょう!となりヘッドライトユニットの選定が始まりました。

【社外品ヘッドライトの仕様】
SONAR製、ロービームプロジェクター、ハイビームリフレクター(イカリング付)、デイライト付
全部てんこ盛り仕様です。プロジェクターのメリットはカットラインが明確になることで光軸調整が安易になります。(ユニットとプロジェクターの精度次第ですが)
R50ミニはウィンカーが車幅灯(スモール球)とセットでバンパー部に取り付けられていますので、ウィンカーは別体です。

【注意点】
購入したヘッドライトユニットにも記載があったものですが、「ハロゲンバルブ使ってね!」と明記されています。どういうことかと言いますと、HIDバルブの様に高温になる球を使うと最悪溶けるよ!保証しないし、燃えても知らないよ!と言いたいわけです。
HIDバルブが使えるかどうかは、ヘッドライトレンズがガラス製なら可、樹脂製なら不可としているメーカーが多いです。
ムラカミは購入時点で樹脂製っぽいなーとはおもっていましたが、どうやら樹脂製の様でした・・・。
取り付け前にHIDユニットを取り付けて、一定時間点灯チェックを行うことで問題があるかどうか、ある程度は確認できます。社外ヘッドライトユニットを取り付ける場合且つ、HIDバルブを使う場合は事前に熱耐性のチェックをしっかり行いましょう。
走行中にユニットが溶けたり、焦げるとヘッドライト以外の部分にも影響がでるかもしれません。車は皆様が思っているよりも簡単に燃えます(!)ので十分注意して下さい。

【点灯チェック結果・・・合格】
HIDバルブをハイビーム、ロービームに入れて試験した結果、熱は持ちますがレンズやバルブ取付周囲が溶けるほどの温度にはならないと判断できました。
ちなみにムラカミは点灯チェックする場合、30~45分程度点灯します。
新品バルブの場合は空焚きの意味もありますが、10分程度では分からないことも多いです。やりすぎかな~程度で十分ですので大袈裟なぐらいチェックしましょう。
なお、ムラカミはテスト用の35W、55Wのバルブとバラストを別途用意してチェックしてます。

【バルブ形状について】
純正ユニットと社外ユニットの一番の違いはバルブ形状です。
純正でH7やHBなどが使われていたとしても、社外品ではH1になる。などが多いです。理由としてはユニットに埋め込まれるリフレクターやプロジェクターは専用品ではなく汎用品が多いため、汎用性の高い(コンパクトに灯体に収められる)H1バルブに対応するものが多いから。です。
当然車体側とバルブ形状が異なりますのでポン付け不可、配線加工や変換ハーネスを用いての取り付けとなります。
国産メーカー品の社外ヘッドライトユニットなどでは、ポン付けが出来る様に車体側の純正形状に合わせて作られることもあります。
SONAR製品はヘッドライトユニットやテールライトユニットの社外品(昔はユーロテールが流行ってましたねー!)で有名なメーカーですが、やはり汎用性を持たせるためかバルブ形状はH1を採用する製品が多い印象です。
今回はHIDバルブを選定しましたので、リレーハーネスを使用してバッ直化予定です。純正配線から取得するのはHI、LOWのON時通電線だけなので、変換ハーネスは不要です。
また、ユニット側のバルブ接続ハーネスは一度切断して端子を付け直します。
安価な製品は細かい部分のコストカットを徹底しているので、端子などもカシメ不足や圧着不良で脱落など日常茶飯事です。自分でやり直して確実に端子化させましょう。

R50 ヘッドライトビフォーアフター
ハイ、ロービームHID、フォグ・スモールLED全点灯!
ロービーム、イカリング、デイライト、スモール、フォグの色味

HIDキットの選定

HIDキットも様々ですが、当初はコーディング無しで対応しようという話になりFCL.製の輸入車キャンセラー付きHIDキットを用意しました。
C3キャンセラーなるもので、キャンセラー接続によりバルブ装着状態の偽装をする。というものです。
※これがのちの取り付けで大問題となります・・・。

この時点で少し懸念はあったのですが、まずキャンセラーが大きい(汗)、HI、LOW計2セットとなるとキャンセラー2個とバラスト4個を車体のどこかに固定する必要があります(滝汗)、しかもR50ミニはボンネット側にヘッドライトユニットが取り付けられることからハーネス長が通常の車の3倍(ヘッドライト~ボンネットを伝ってバッテリーまで)は必要です。(失神)

輸入車は国産車に比べてボンネット内の熱害影響が大きい車種が多いです。とにかく熱くなりやすいのでバラストもキャンセラーもなるべく熱影響が少ないところに設置したいのが本音です。
そもそも延長ハーネスを買ったとしても全然届きませんので、ハーネスから作り直すしかありません。しかも電源~バラスト~バーナー間はハーネス長が長くなりすぎると抵抗となり正常動作を妨げる恐れがあります。
ハーネスは1.25sqで収縮チューブと網組チューブを使用して純正ハーネスと同等のクオリティで作成しました。
HIDに利用される防水カプラーは精密ドライバーのマイナスを利用すればハウジングと防水ゴムは再利用が可能です、ピンは新しく用意してカシメました。
バラストとキャンセラーの取付場所は、悩みに悩んでアッパーマウント付近にステーを生やすこととなりました(遠い目)

バラスト4個のキャンセラー2個とか無理感がすごいです。
結論としては、正常動作を確認しとりあえずインストール完了です。

FCL.製のC3キャンセラー付 HIDキット(H1バルブ)

問題発生!

お客さまへ車両の引き渡し後、その日の夜に連絡が入りました。
EGオフでも5分程度デイライト付きっぱなし、デイライト球切れ、走行中にロービームフラッシュ(チラつき)・・・もう死にそうです。
ヘッドライトは返品することとし、黄ばんだ純正ヘッドライトへ一旦戻すこととしました。(Y様申し訳御座いませんでした)

やはりコーディング無しでのカスタムは無理があると判断しましたのでコーディングの準備を行います。

コーディングできない!(泣)

当店ではドイツ車の各種コーディングが行えるハイエンド診断機を用いています。
BMWであれば現行F型、AUDIはA4ならB9型・・・などなどとにかく最新モデル対応です。(施行可能なコーディングメニューは車両により異なります。)
さっそくR50ミニにもOBDⅡ接続でコーディング開始・・・と思いきや、コーディングメニュー自体が出てきません。
○○万円もしたのに!と泣きそうになりながら、あきらめてノートPCを持ち出しNCS_Expertでコーディング開始です。

NCS_ExpertはBMW車専用の診断、コーディングソフトです。単体動作するものではなくそれぞれ対応したSP_DATENという車両データファイルが必要になります。
E36やE46、R50などの少し古い車両に対してはこちらのソフトでコーディングを行います。
最新車種であれば診断機から項目を選んでパラメータ設定・・・で終わりますが、一旦PCに元データを保存、オフラインでパラメータ変更後、車両への書き込みと言った具合に少し手順が増えます。
仕様するシリアルケーブルの性能やPCスペックにもよりますが、書き込み内容によっては長時間ビジー状態となるため、IGN状態での車両電圧ドロップに注意する必要があります。一定電圧以下で車両電圧カットされますのでパソコンでいうところの強制終了となり車が鉄の塊へと変貌します。(ECUやBCMパンク)安易に試されると非常に高い勉強代となりますのでご注意ください。

また、ご友人が同じ車両に乗っておりそのコーディング内容をまるまるコピーなども厳禁です。車両年式やグレード、オプションにより設定内容やパラメータ項目が異なることも多く、1年違うだけで項目が全く別の名前に置き換わっていることもあります。
そのままコピーすると、存在しないパラメータや実際には異なる数値設定となり、結果としてECU破壊、更にはその他ユニットまで破壊してしまう恐れもありますのでやめましょう。
ムラカミは車両ごとに該当パラメータの保存されたユニットデータを保存し、オフラインで各項目を確認した上で個別で設定し、書き込みします。
ソフトやデータファイルの入手が容易とは言えませんので、よくわからない方はショップにお任せすることをお勧めします。

コーディングソフトのイメージ図
※BMW用ですが、他メーカー用だとまた別のソフトを用います。

さて、今回は後にテールライトユニットのLED化も控えていることが判明しましたので、全ての灯火類のコールドチェック及びウォームチェック機能をオフとしました。
これらにより室内灯からウィンカー、車幅灯などヘッドライトユニットに関わらず全て、所謂既製品のポン付けバルブが装着可能となりました。
さて、HIDキットはどうしようか・・・

HIDバルブやめました。(LED化)

はい、HIDキットは置き場所やスペースの観点から全撤去決定です。(泣)
代わりにフルLED化とします。

【メリット】
当然ですが、バラストもキャンセラーも必要ありません。
純正ハーネスの変換のみでLEDバルブが装着できますので、バルブが切れても安価で入手可能です。

【デメリット】
LEDバルブは放熱が命ですので、ヒートシンクにファン付とすると取付座金から後ろに飛び出す全長が長いです。
バルブ長の問題はユニットやボンネット内への干渉、防水グロメットの選定などなど様々な制約を課してきます。

まずユニット内の収められるかどうかが問題となる背景ですが、H1形状のLEDバルブは有名メーカーからはほとんど発売されていません。
この理由は、H1形状をLEDバルブ化してもポン付けで取り付けられる車両が少ないことにあります。
H1形状バルブはもともと非常に小型で特に全長を短く収められることがメリットです。(ハロゲンやHIDバルブ)
つまり狭いところに用いられることが多いので、LEDバルブの様に灯体ボディにヒートシンクやらファンやら取り付けると、最悪ハロゲンの倍以上、或いはそれ以上の長さになります(!)
LED化しても収められないよ!というわけです。

はい、激安LEDバルブの登場です。(笑)
とにかくいろんな場所に干渉しない様、全長が短いもの、ヒートシンク外径が小さいものを条件に絞っていった結果、ほぼ一択でした。
見るからに怪しいですが、見た目の通りクオリティ=値段なりです。
H1形状の特徴である位置決めポッチは曖昧で、その台座もペンチを使えばグリグリ回ってしまいます。
予めハロゲンバルブの光源位置と同様となるように調整しておきました。

・・・LOW側は何をどうやってもそのままでは固定クリップにアクセスできませんでした。
ヒートシンクで既に取付穴部分が埋まってしまいます。あきらめて台座を分解→先にユニット内に固定してから灯体をインストールです。
HI側は・・・一番出っ張っていますのでインストール自体は簡単ですが恐ろしいくらいにユニットから突き出ています。(凡そ35mm程度)車両が手元にありませんので、きっと収まるだろうと信じて別途注文した防水グロメットを取り付けます。
グロメットは取付内径のみ合わせて、後ろに伸びるにつれて内径が約10mmずつ小さくなり最後は内径30mm程度で蓋になっているものです。(とんがりコーンの様な形状)幸いにも防水性を確保したまま後ろに突き出した灯体全体を覆うことができました。・・・あとはボンネット内の干渉が無いことを祈って終了です。

LEDでも光量は十分確保できていると感じました。
※実際にはHIDのほうがもちろん明るいです。
H1ハロゲン球の収まり具合 ヒートシンク付LEDバルブは物理的な制約で商品選定がかなり厳しかったです。

完成です!(取付完了)

いきなり完成ですが、LED化したことにより各ハーネス類は全て省略できましたので、ユニット取付のみで完成しました。
動作確認後、光軸調整を行いきっちりとカットラインがでていることも確認できました。
ポイントとしては、LEDバルブはその光源の向きにより想定された反射が行われなければまったく道路を照らしません。ハロゲン球の光源と向き、位置が同じかどうかしっかり確認しましょう。光源の前後位置はバルブにより固定ですので基本的には前後にずらすことはできません。
不安な方はFCL.製などのしっかり品質管理された商品を購入しましょう。
なお、カスタム当時(令和3年10月頃)、H1形状のLEDバルブはFCL.様からは発売されていませんでした。

 

別記事で紹介しますが、フォグバルブと車幅灯(スモール球)もFCL.製のLEDバルブを取り付けましたのでウィンカー以外はLEDとなりました。
バルブ交換作業自体は手間ですが、ヘッドライトバルブ(HI,LOW)もAMAZONなどで安価で入手できますので球切れの際も安心です。交換作業にはユニット外しが必須ですが・・・

何はともあれ、無事フロントLED化が終了しお客さまにも満足して頂く事ができました。
他にもバニティランプのLED化、リアテールLED化などなどLED化シリーズは続く予定です。
今だからこそBMW初代ミニ、弄ってみませんか?
F型では味わえないダイレクト感やそのフォルムなど魅力が一杯だなと改めて実感したムラカミでした。

あ、ムラカミは旧ミニ乗りだったのですがその話はまた今度・・・。

Y様ご用命有難うございました。
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