プッシュスタート化について
こんにちは、ムラカミです。
さて、表題についてですが最近立て続けにプッシュスタート化についてのお問い合わせがありましたので記事にすることにしました。
現在どのメーカーの車もある一定のグレードからはスマートキーとプッシュスタートによるエンジン始動が標準装備となってきました。
キーレスとの違いや、プッシュスタート化の注意点などについて順に説明させて頂きます。
なお、当店ではCEP製のプッシュスタート化キット「ソニックスタート」やスマートエントリー化キット「スマートロックマン」の施工実績がありますが、お写真でお伝えできるものがありませんので、そのうち出張車のタントに取り付けてご紹介しようかとも考え中です。
(本当は、出張車を新調するタイミングでキットを取り付けたかったのですが・・・良い例がないとイメージも湧きにくいかと思いますので)
スマートキーとは?(スマートエントリー)
まず、スマートキーとは何なのか。をご紹介します。
スマートキーとは車両のロックアンロックを行う際に「鍵を取り出さなくとも、車両側受信機の範囲内にいればロック、アンロックができる」ものです。
どうやってロックアンロックするのかと言いますと、各メーカーによりやり方は異なりますが車体の一部分(ドアノブ裏だったり、ドアノブ横に設置されたスイッチだったり)を触ることで車体側の受信機(レシーバ)が発信機(リモコン)を探します。レシーバの受信範囲にリモコンがある場合は、ロック又はアンロックを行います。
つまり運転者は、ポケットやカバンにリモコンを所持した状態であればロック、アンロックが行えるわけです。
さらに、設定や仕様によっては近づくだけでリモコン所持の有無を確認しアンロックしたり、離れるだけでロックしたりすることも可能です。
今時の車であれば、車体の前後左右にレシーバが設置されていますが、少し年式の古い車ですと運転席側にしかレシーバがない車両などもあります。例えば当店の出張車であるタントL350Sなんかもキーフリーシステムとよばれるスマートキー機能が付されていますが、運転席にしかレシーバがありませんので助手席から近づいてもドアは開きません。逆も然りでリアゲートを閉めた時点で全てのドアが閉まっているといきなりロックしてしまいます。(何気にめちゃくちゃ不便です。)
キーレスとは?(キーレスエントリー)
こちらは比較的古い車両でも備わっている場合が多いもので、ドアのロック、アンロックをキーレスリモコンのボタンを押すことで実現できるものです。
メリットはわざわざドアのカギ穴に鍵をささなくても、ロックアンロックができるという点で、スマートキーが出始めてからは「いちいち鍵(リモコン)を取り出して、ボタンを押さないとロックアンロックできない」点がデメリットといえば、デメリットです。
今までは当たり前且つ便利であったキーレス機能ですが、スマートエントリー搭載車が増えてからはスマートエントリーが付いていないと不便だ。とどんどん便利な機能に依存していくわけです。
もうひとつデメリットを挙げるとすれば、キーレスキーはその役目から当然鍵部分がむき出しです。むき出しの鍵部分がポケットで邪魔になるといったこともあるかもしれません。ただし、エンジンを始動するにはキーシリンダーに鍵を挿して回す必要がありますので、鍵部分を隠すと毎回取り出すのに逆に手間になります。
※この点を解消するために、少し古い外車(ベンツやBMW、VWやAUDIなど)ではジャックナイフキーと呼ばれる鍵部分を収納しつつ、使用時にはボタン一つで鍵部分が回転し、キーが露出する便利なものがあります。
プッシュスタート機能とは?
ここで、表題のプッシュスタート化にお話を戻します。
プッシュスタートとは、簡単に説明するとエンジン始動時に「鍵を挿さずにブレーキを踏みながらボタンを押すだけ」でエンジン始動ができるものです。
その機能から、スマートエントリー機能とセットでオプション化されています。
つまり、例え車両のドアが開いていたとしても、スマートキー(リモコン)を持たない状態でプッシュスタートボタンを押して(レシーバ受信開始)も、リモコンが無ければ「リモコンが無いよーだからエンジン掛けられないよー」とエンジンはかからないわけです。
一般的な鍵を回してエンジンを掛ける車と同様に、リモコンを所持せずにプッシュスタートボタンを押してもACCにもIGNにもなりません。
プッシュスタート化とは?
冒頭のプッシュスタート化とはなんなのか。のお話にやっと戻れました。
鍵の名称がややこしくなりますので、従来の鍵を「物理キー」と言います。
条件と内容を以下に記載します。
1.物理キーをキーシリンダーに挿して(鍵を持った状態でツイストノブを回すタイプも含みます。)、エンジンを始動するタイプの車両に
2.プッシュスタートボタンを追加して
3.エンジンスタート時の動作を自動化(物理キーをキーシリンダーに挿して、ACC、IGN、ONまで回す)する事【重要】
がプッシュスタート化する、プッシュスタート化カスタムです。
重要なのは3.エンジンスタート時の動作を自動化していることなんです。何が言いたいのかと言いますと、自動化(プッシュスタート化)に際してキーシリンダー側の鍵を回した状態にしなければならない。という事です。
もう少し具体に申し上げますと、ステアリングロックを解除した状態且つIGNまでキーシリンダー内部を回した状態で保持しておく必要があるのです。
つまり、プッシュスタート化した際の一般的なエンジン始動方法は以下のとおりです。
1.物理キーをキーシリンダーに挿して、IGNの位置まで回す
2.ブレーキを踏みながら、
3.プッシュスタートボタンを押す
これでは、1.の部分で結局キーシリンダーに鍵を挿していますので、手間はまったく変わっていません。(汗)
※所謂ホンダS2000などが純正でこの方式をとっています。キーシリンダーでIGNまで回してからエンジンスターターボタンを押してエンジンスタートです。
純正で採用されているようなプッシュスタートの使用方法である、
1.ブレーキを踏みながら、
2.プッシュスタートボタンを押す
この2動作で実現するためには、「予めキーシリンダーに鍵を挿してIGNの位置まで回しておく」わけですが、車内に鍵を挿しっぱなしではいくらドアが施錠されているとは言え防犯上好ましくありません。
勿論、ソニックスタート4においては鍵をON位置(エンジンスターター位置)まで回しても、キーシリンダー裏の配線はプッシュスタートユニットを介して車両側ハーネスに接続されますのでエンジンは掛かりません。(ACCにもIGNにもなりません)
ただし、ステアリングロックは解除されたままです。
ソニックスタート4にはセキュリティ機能がありますので、正規の開錠手順を踏まずにボタンを押したり、ドアを開けたりすると発報することもできます。(+オプションの振動センサーなどを付けると簡易的にセキュリティシステムとして運用することができます。)
※例えば一般的なお車であれば、キーレスでロックした後に、物理キーでドアを開けた場合発報します。(キーレス動作時のウィンカー点滅回数と点滅間隔からセキュリティのオンオフを行うため)
ステアリングロックを効かせる場合は、最初に提示しました「物理キーをキーシリンダーに挿して、IGNの位置まで回す」ですが、もはやプッシュスタート化したメリットが見当たりません。
この問題は、スマートエントリー機能の付加如何に関わらず発生するものです。
このセキュリティ上の懸念を理解した上で、施工するかどうか決める必要があるとムラカミは考えています。
工賃について(※全て税抜です。)
性質上、車両によってスマートエントリー機能を付けるかどうか。と純正キーレス機能を使いつつプッシュスタート化するかどうか。に大別されます。
まず、当店ではプッシュスタート化そのものの基本工賃が\35,000-です。
スマートキー化は基本工賃が\20,000-~です。~とした理由ですが、ドアノブや任意の場所にロック、アンロックを制御するボタン(リクエストスイッチ)を付けることができますので、近づいてアンロック、離れてロックの機能を使わずにでロックアンロックしたい場合には、このボタンを付けなければロックアンロック時に毎回リモコンを取り出す必要があります。
そしてこのスイッチを一つ増やす毎に工賃が+\5,000-~発生します。例えば運転席と助手席、加えてリアゲートにリクエストスイッチを取り付ける場合は、スイッチ取付費用で\15,000-と基本工賃の\20,000-で合計\35,000-掛かります。※あまりにも特殊な位置や、輸入車等で作業が特殊な場合にはスイッチ追加工賃を割増で頂きます。
プッシュスタートボタンの取り付け位置についても、特殊な位置やパネル造形(ワンオフ)する場合は別途追加工賃を頂きますが、事前に取付位置なども確認した上でお見積り致します。
従って、スマートエントリー化+プッシュスタート化の場合は工賃で\55,000(税抜)~+スイッチ数*\5,000(税抜)でのご案内です。
プッシュスタート化のみの場合は、上述のとおり\35,000(税抜)でのご案内です。
あくまで工賃のみですので、これらにソニックスタート代金や、スマートロックマン代金などの商品代と出張費用が掛かってきます。
なお、施工時間はプッシュスタート化のみの場合で3時間~、スマートエントリー化も含めると5時間~で承っておりますが、お預かりしても良いよ。という場合には出張料金のみで代車+車両入替まで含めてサービス致します。
ムラカミとしましても、お預かりさせて頂けるとゆっくり?いえいえ丁寧に施工できますので心のゆとりが違います。(笑)
お預かりの場合は1日または2日ほど頂けると幸いですが、近隣(大阪北摂地域など)であれば当日施工可能です。
また、雨天の場合は出張作業場所において、ドアを片側全開状態で雨が掛からない屋根があることが雨天出張時の最低条件です。
電装作業ではドアを開けて作業するものが多く、最低片側は全開にできなければ施工性や雨の侵入などで承ることができません。
その場合は日時を変更するか、お預かりでの作業をご案内します。ただし、当店では現在代車が1台しかありませんので、出払っている場合はお待ちいただく必要が御座います。
【注意!】ソニックスタート4はプッシュボタンが別売りです。
プッシュスタートボタンは汎用品、トヨタ純正、日産純正、スズキ純正・・・などなどありますが、全てソニックスタート4本体とは別売りですので、ソニックスタート4本体代金+プッシュボタン代が最低限必要な商品代(部品代)となります。
追加で必要になるかも知れない商品について
プッシュスタート化キットについて、当店の取扱いはソニックスタート4のみですが、車両のグレードや年式、仕様によっては追加で必要となるオプション品が御座います。
■イモビライザー付き車の場合
イモビライザーキャンセラーが必要です。(CEP社HP上では定価\5.203-で御座います。)
■電動チルト付、又はノブ式イグニッション車の場合
ステアリング/スマートキー用コントロールアダプターが必要です。(CEP社HP上では定価\3,121-で御座います。)
加えて、車種別専用キットが出ているお車の場合は、ボタン取付用の化粧パネル代などが追加されるので一般商品よりも若干割高となります。
で、結局いくら掛かるの?ですが・・・
車両により必要部品が異なりますので、お電話や左下チャット欄、お問い合わせからご連絡下さい。
車種名、年式が分かれば大まかにお見積り可能です。グレードまでわかればイモビライザー有無なども判明しますのでより具体的にお見積り可能です。
ムラカミが作業中でなければ、1時間~2時間程度でお見積りをご提示させて頂きます。
プッシュスタート化に合わせてやっておきたいカスタム
■純正キーレス機能のままプッシュスタート化した場合
キーレスリモコンの電池が切れたら、ドアのカギ穴に鍵を挿してロックアンロックしなければなりません。
鍵部分が露出したままですと持ち運びの利便性は従来のまま(ポケットで太ももに刺さったり・・・)なので、ジャックナイフ化をお勧めします。
先日もお客さまからプッシュスタート化のお問い合わせがありましたが、目的がキー部分が邪魔なので失くしたい。でしたので最終的にジャックナイフ化のみご案内し、無事作業が完了したものです。
ジャックナイフ化の費用は以下のとおりです。
1.ジャックナイフキー(ブランクキー)の商品代(純正キーと適合するものであれば持ち込み可)
2.キーカット費用(鍵屋さんに外注です。)\2,500~ですが、内溝キーなど特殊キーの場合は\6,000~程度発生する場合も御座います。
3.キーレス基板組込費用(大体\1,500~でご案内させて頂きます。)
4.出張費用
で御座います。従って一番シンプルな鍵の場合は工賃等がキーカット費用とキーレス基板組込費用で\4,000-程度、出張費\3,000-を合わせて\7,000-程度にジャックナイフキー本体費用となります。
キーレス基板組込はDIYでも十分可能なものですので、ご自分でされるのもいいかもしれませんね。その場合はキーカット費用とジャックナイフキー本体費用のみとなりやすければ\5,000-程度でジャックナイフ化が完成します。
ご依頼いただく場合は、事前にキー溝タイプやイモビ有無などから具体的なお見積りが可能ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。
■スマートエントリー化も合わせてした場合
特に合わせて行うカスタム?はありませんが、上記同様に緊急用のスペアキーを作成する必要がありますので合鍵作成費用は合わせて見積もっておくといいでしょう。
※碧電装は鍵屋さんではありませんので、承っても外注加工となります。